プレミアム旅行券を一過性の効果としないための3つの方向性

プレミアム旅行券を一過性の効果としないための3つの方向性

全国の自治体導入が相次ぐプレミアム旅行券ですが、税金の無駄使いなどと、ネガティブな意見も多い中で、どのような効果を見出すか?3つの方向性から考えました。

① 大手旅行会社との連携を強化

多くの自治体は、単独で販売するというより、JTB等の大手旅行会社の販売ネットワークを利用しているケースが散見されます。最大手JTBは現在30の道府県・市区町村の旅行券を取扱いしています。
大手旅行会社も「地方創生」を大きなビジネスチャンスと捉えており、プレミアム旅行券の発売協力もその一つの取り組みです。
ただし、JTB関係者の話によると、プレミアム旅行券から次の施策が見い出せず、彼ら自身も頭を悩ましているのが現実です。
今こそ、大手旅行会社と連携を強化し、プレミアム旅行券販売後の施策を一緒に企てるタイミングに来ていると思います。
旅行会社にお任せではなく、自治体自らが主体性を持って、旅行会社に企画を売り込んでいく姿勢が必要となります。
具体的には着地型旅行商品の開発、地元大学を巻き込んだ域学連系の模索、地域課題を人材育成のリソースとして研修プログラムを開発するなど、いくつかの成功事例も見られます。

② インバウンド対象枠を拡大

インバウンド観光客の増加に拍車がかかっております。ただ一方では東京一極集中の傾向も強く、地方が恩恵を被るにはまだほど遠い状況です。
そのような中、今回のプレミアム旅行券を広くインバウンド観光客利用を促す機会と捉える必要があります。北海道などは、インバウンド対象枠を設けていますが、他の自治体はまだまだインバウンド対策はされていません。
5か国語表記の案内や、インバウンドが利用するサイトへの告知、受け入れ側施設への啓蒙など、地域の観光関係者が総力をあげて、インバウンド取り組みを行うきっかけにプレミアム旅行券販売を位置づけることが必要です。
インバウンド観光客は北海道のニセコや富士河口湖など、一度人気が出ると来訪する可能性が大きくなります。
地域の観光産業の救世主として、インバウンド観光客受け入れ促進を図るチャンスなのです。

 

③ 再訪を促す施策の拡充を

プレミアム旅行券を一過性の効果とせず、持続性を持たせるためにも、来訪を促す仕掛け作りを考える必要があります。
一部の自治体では、サイトの会員登録をさせることで、囲い込みを強化しているところもありますが、まだまだその取組は弱いと考えます。
来訪者にアンケート協力を依頼する、あるいは旅行者自らがSNSを使って、地域情報を拡散してもらう、二回目訪問者や、紹介者などに対する特典を用意するなど、多角的なプロモーション戦略が必要です。
特に、来訪者へのアンケート調査は重要です。
生きた声を活かす絶好の機会と捉え、徹底的に顧客調査を繰り返すことが求められます。
このような、地道な活動は自治体単独で行うのは難しいかもしれません。
広告代理店やシンクタンク、観光コンサルタントなど外部の力も借りることも一考と考えます。

以上、プレミアム旅行券を魅力ある施策とするための3つの方向性を考えました。
多くの税金が投入される本施策を活かすも殺すも、地域関係者のほんの一握りの
工夫次第です。
プレミアム旅行券導入は、決してゴールではなく、地方創生のスタートに過ぎないのです。

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