地域課題解決型研修とは?
地域課題解決型研修とは、地域でのフィールドワークを通じて、地域課題を探索し、その解決策を地域の関係者に提案する、いわゆるアクションラーニング型の研修スタイルを意味します。
立教大学の中原淳教授は、次世代リーダーと期待されるビジネスパーソンの「固定的なパースペクティブ(ものの見方)」を相対化し、管理職、あるいは管理職候補としての革新行動意欲の増進、多様性あふれる人々との遭遇をはたすことによって経営者目線での思考習慣の獲得の効果があると述べています(中原,2015)。
大手企業が続々と地域に入る
実際に、ヤフー、パーソルホールディングス、パナソニック、ヤマトホールディングスなどの社員が、北海道の美瑛町へ赴き、地域課題の解決策を考察、最終的には町長へ、プレゼンテーションを行っています。
リーダーシップ、チームマネジメント、課題解決思考、コミュニケーション能力などが養われ、企業における、高度な人材育成カリキュラムの一環として、注目をあびているのです。
地域側のメリットは何?
一方、地域側のメリットは何があるのでしょうか?一つは、多様な人材によって地域課題解決策のヒントが得られます。都市部で働く、ビジネスエリートの知識が、当該地域にもたらされることのメリットは、人口減少が急速に進む地方にとっては、願ってもないチャンスだと言えます。
もう一つは、地域住民との交流が促進されることで、高齢者の生きがいづくりや、子供達の将来のキャリア開発にもつながると考えられます。
ポストコロナの新しい地域活性化としての期待
コロナ禍でリモートワークが一般化しつつあります。コロナが終息したとしても、都市部のオフィスで終日仕事をするスタイルは、完全には戻らないでしょう。またワーケーションなどと呼ばれる、新たなワークスタイルも台頭しています。
持続あるまちづくりに寄与する企業やビジネスパーソンが増えることで、地域社会が再生していく環境が整いつつあるのです。
サステナブル・コミュニティ・デザイナー 田原洋樹
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