若手営業担当者に必要な営業スタンス力

知識よりもスタンスを優先

新人や若手営業に必要な力とは一体何でしょうか?

企業の人事担当者と話をする機会があれば、私はまず「スタンス」を挙げます。

仕事に対する取り組み姿勢とも言い換えても良いでしょう。

新人研修等で、自社商品の知識を詰め込む傾向が多いのですが、知識やスキルは

OJTを通じて、職場で十分にインプットできるものだと考えております。

むしろ、知識を詰め込むあまり、かえってお客さまとからの貴重な情報やニーズをキャッチできない弊害のほうが多いのではないかと考えます。

 

自社商品カタログに逃げる危険

知識がかえって、営業の邪魔をするということは一体どういうことでしょう?

お客様と営業担当者との会話が途切れる、あるいは「間」が出来る時に、自社商品カタログは、その合間を埋め合わせるには持って来いのツールになります。

とりあえず、商品の説明をすることで、会話は続きますし、一見会話が弾んでいるようにも見受けられます。

ただ、営業で本当に重要な事と言えば、自社商品知識を一方的に伝える力ではなく、

お客様から「真のニーズ」を引き出す力です。

それ故、成績上位の、いわゆるトップセールスは話し上手よりも、聴き上手であるといいます。聴き上手になるためには、自社の商品カタログはむしろ邪魔な存在なのです。

 

ある銀行の支店長がとった勇気ある育成方法とは

以前、某銀行の支店長から、新人営業の育成方について持論をお伺いしたことがあります。

その支店長は、新人の配属後、最初の3か月間は商品カタログを持参させないで、お客様のところへ訪問させるといいます。

その理由をたずねると、まずは、自社商品の売り込みをするのではなく、お客様の懐に飛び込むことを習得させるためとのことでした。

商品カタログを持たない彼らは、話すネタを探すために、必死にお客様に向き合います。

お客様の家族構成や、趣味、性格やお金に関する考え方に至るまで、3か月間であらゆる生の顧客データが蓄積されるわけです。

支店長が大切にしたのは、お客様に向き合う姿勢、自社商品を売り込む意識を捨て、言わば、お客様本位のスタンスをこの3か月の間にじっくりと醸成させたわけです。

 

スタンスは人材育成の基盤

先の支店長の育成法では、知識やスキルよりもお客様に向き合うスタンスを育成の基盤として、最初に取り組みました。3か月後、彼らはようやく自社商品を売っても良いという言わば、セールス解禁の指令を受けます。

そうすると、正に水を得た魚のように、活き活きと自社商品のセールスを開始します。

ただ、ベースには3か月間で得たお客様本位のスタンスがあるので、決して一方的な売り込みはせず、お客様のニーズに基づいた、課題解決型、いわゆるソリューション型セールスが自然と身についているのです。

もっとも、3か月の間で入手したお客様の詳細データがインプットされているので、ある意味、お客様を丸裸にした状態で向き合えるのです。

結果的に、お客様のニーズに基づいた提案が自然と出来るわけです。

知識・スキル・スタンス、どれも、新人や若手の人材育成には欠かせないものでしょう。

ただ、どれを優先させるか?何から手を付けるか?

を考えたとき、最も時間のかかる、またもっとも育成が難しい、スタンスからまず取り組むべきであるというのは、このエピソードを聞いて、私は確信したのです。

 

 

 

 

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