地方創生・地域活性化コラム~地方創生・地域活性化に必要な5つの要素~

地方創生・地域活性化に必要な5つの要素

 

地方創生・地域活性化が叫ばれています。

ところが、地方を元気にする、活性化させるという掛け声は威勢がいいですが、具体的にどのようなステップで取り組んでいけばよいかわからないといった声が多数聞こえてきます。

本コラムでは、観光資源を発掘し、外から観光客を招き入れるという観点で、今こそ取り組むべき5つの要素を取りあげ解説します。

 

探す(さがす)

まず、最初は「探す」です。目に見えるものだけでなく、潜在(埋没)するようなリソースをいかに発掘するか?

ありがちな、観光資源を目玉として、他地域でもやっていることを2番煎じで取り入れても効果はありません。

地域独自のリソース、いわゆるオンリーワンを探し出す視点が求められます。

 

青森県・五所川原市の「地吹雪体験」など、地元の人にとってはやっかいなもの、が意外に都会の人には好評だったということもしばしば。先入観にとらわれず、地域外の人にとっての「価値」を考え抜くことが必要です。

 

磨く(みがく)

二つ目は、「磨く」です。せっかくのダイヤモンドの原石も磨かなければ、輝きません。

「磨く」つまり、観光商品化に向けたステップとなります。

その際にどのようなツアーにしたいのか? いわゆる「コンセプト」の設定がカギとなります。文化観光をメインに押し出すのか? グリーンツーリズムなどの農作業体験型か

はたまた工場視察等の産業観光で行くか? キーコンセプトを定めたうえで、どのように商品(ツアー)を加工して行くか?

温泉や食事、あるいは目玉となる観光資源等、単一のリソースで勝負に出るよりも、むしろさまざまなリソースを組み合わせることが必要になります。

北海道のニセコは良質な雪というリソースが柱となってスキーリゾートとして大変有名ですが、さまざまな食を楽しむナイトライフが充実していたり、夏はラフティングも楽しめるといったリソースが複合化していることも魅力となっています。

 

招く

コンセプトが定まって、提供すべきリソースに磨きを加えると、いよいよ誰を「招く」かになります。いわゆるターゲティングですね。

ターゲティングをしてから、商品開発(磨く)をするという流れもありますが、地域にそれほど豊富なリソースがない場合はむしろ、一旦提供する商品や価値を定めてから、改めてターゲティングをするほうが、より成功への確度が高まると個人的には考えております。

 

最近はやりの訪日外国人観光客、いわゆるインバウンドに照準を絞るのか?

学生か、高齢者か、ファミリーか、ビジネスパーソンか?

二兎を追うモノは一兎も得ずのことわざもある通り、誰でも来てほしいではなく、出来るだけ照準を絞ることをお勧めします。

最初は狭い客層であっても、結果的にさまざまな層に受け入れられる地域になればよいのですから。

農家民泊で有名な長野県飯田市では、当初中学生の学生団体の受け入れを中心にしていましたが、人気を得て、今や社会人を対象とした、週末ワーキングホリデーが人気を呼んでいます。

 

組む

4つめは「組む」です。今や地域活性化には「連携」というキーワードが当たり前となっています。他の自治体と連携する、あるいは産学官のトライアングルを形成する。

旅行会社などの観光事業者を巻き込むなどさまざまな方向性が考えられます。

近年、学生の斬新で、若い知恵をまちづくりに取り入れようとする動きが加速しています。いわゆる、域学連携です。

文科省が推奨するCOC事業などもその一つです。

(小職も東京国際大学でまちづくり講座を担当しています)

いずれにしても、単独で事を起こそうとするのではなく、誰かとタッグを組むことで、相乗効果が生まれます。

そして忘れてならないのは、「地域住民」も巻き込む、参加させることです。

住民が当事者意識を持つか否かで、地方創生の成果に大きく影響することはいうまでもありません。

 

 

 導く

そして、最後は「導く」です。

誰が中心となって、活動するか?

これは多くの地域で課題となっていますが、成功している地域では、強力なリーダーシップを持った人物がNPO団体などの組織を起ち上げ、地域活性化の旗振り役として活動しています。ただ、だからと言って、リーダーの出現を、指をくわえて待ちわびていても仕方がありません。「誰かがやる」ではなく、「私でもできる」という風土、環境を皆で醸成していくことが必要です。

そのためには、他地域の成功事例を視察したり、外部講師を招いての勉強会を開催するなど、地道に地域人材を育むことが欠かせません。

 

地方創生や地域活性化と言えば、商品券をばらまいたり、大きな費用をかけて観光地の再開発をすることではありません。

埋没する資源を探し出し、磨き、ターゲットを定めて、それを地域の皆でタッグを組んで

提供していくといった地道な活動を、継続していくほかありません。

 

そして、そのような活動を牽引する地域人材を育成していくこと。

「地方創生は人づくりから」と言われているのはそのためではないでしょうか?

 

地域人材育成コンサルタント 田原洋樹

 

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