こんにちは。
人材育成コンサルタントの田原洋樹です。
今朝(2016年4月12日)の日経新聞に、2つの面白い記事を見つけました。
一つは、社会面「出世イヤ若者増殖中」というタイトルで、
バブル崩壊とともに、出世や昇進といった、社員をモチベーションアップさせる「ニンジン」は効かない時代になったという内容です。
裏付けるデータも記載されています。産業能率大学の調査で、新入社員に目標とする地位を聞いたところ、バブル期の1990年度は「社長」が46・7%だったのに対し、2015年度は14.2%に激減しています。また、「地位には関心がない」という項目では、逆に20.0%から30.8%に増加しています。
仕事よりも、プライベートが重視され、仕事は生活費を稼ぐ道具となっているとのこと。
- 2016/4/12付
- 情報元 日本経済新聞 朝刊
「もうイヤになっちゃって」。東京都内に住む高橋有人さん(仮名、31)は3年前、4年間勤めたIT関連会社を辞めた。理由はいくつかある。その一つが上司のこんなセリフだ。「お前は、同期の誰がライバルなんだ?」
連日深夜まで続く残業、土日出勤の無言のプレッシャー、そして同期を業績で競わせる社風。そのどれもが合わないと感じた。
高橋さんの理想は仕事3割、私生活7割、のバランスだという。仕事は真面目にこなす…
もう一つの記事は、キャリアアップ面【29面】で
「職場人生描きやる気アップ キャリアデザインの効用」というタイトル。
企業ではやっている社員研修の一つとして「キャリアデザイン研修」を取り上げています。
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2016/4/12付情報元 日本経済新聞 朝刊 企業の間で導入が広がっている社員研修の一つ「キャリアデザイン」。ビジネスパーソンが自身の仕事人生を主体的に設計し、その実現に取り組むというものだ。自律的な社員を育てるのが企業にとっての狙いだが、実は、異動などによって先行きに漠然とした不安を抱いている人や、逆に仕事がマンネリ化しやる気が出ないという人にも“効果”があるのだという。 年間2千~3千人のキャリアデザイン研修を請け負う日本生産性本部の人…
2つの記事ともに共通するのは、今の時代にどよのうに働くか?
というテーマです。
生活費を稼ぐため、あるいは、課長になりたいであっても、目指すゴールは仕事を通じて、自身の人生を自分らしくイキイキと過ごしたいという思いは共通することではないでしょうか?
どうせ、同じ時間をかけて「仕事」をするなら、イヤイヤよりもイキイキしたほうが、精神衛生上良いに決まっています。
だからこそ、自分自身のキャリアを描く(デザイン)することが重要なんですね。
決して昇進することが全てではない。それは私も同感です。
ただ、部下をもって、はじめて見る職場の景色は、苦しいことだけではないと、個人的には思います。
チームを引っ張る、あるいは束ねることの難しさと、それをやり遂げた時の達成感や、充実感はそのポジションを勝ち取った人にしか味わえないことです。
だからこそ、私は、やはり組織に属する以上は、「責任の重い」ポストを一度は経験してもらいたいと思うのです。
めんどくさい、プライベートが邪魔される、という表層的な障害を乗り越えた先に、人生における大きな果実が手に入ることを、知ってもらいたいのです。
人材育成を生業とする私は、そんなことを考えながら、いつも研修現場に赴いています。
田原洋樹の著書【営業マネジャーが必ずやるべきこと 日本実業出版社】