地域に入ると、さまざまな課題が耳に入ってきます。
「目立った観光資源がない」
「若者がいない」
「行政が積極的でない」
「企業の衰退が激しい」
「リーダーがいない」
などなど。
そのほとんどが、「他責」、つまり、うまくいかない理由を、他の人、あるいは環境の責任と
決めつけてしまっていることです。
これでは、地域を活性化するどころか、地域の衰退に益々拍車をかけてしまいます。
では、どのような意識改革が必要なのか?
そのヒントとなる考え方が
「自然発生的リーダーシップ」にあります。
従来、リーダーやそのリーダーが保有すべき考え方ややり方、つまりリーダーシップ
に関しては、一部の権限やカリスマ性をもった人に限定されたものと捉えられていました。
しかし、世の中の環境が大きく、また、スピーディーに変わろうとしている状況の中、そのような一部の権限者やカリスマの存在に委ねていたのでは、その変化に立ち遅れてしまいます。
たとえ権限がなくとも、カリスマ性が備わっていなかったとしても、地域の課題に気づき、その解決の必要性に気づいた人が、周囲の人に声をかけて、一緒に動こうとするような意識が求められます。
その時に発揮されるスタンスこそ、「自然発生的リーダーシップ」なのです。
実はこの「自然発生的リーダーシップ」という考え方は、地域だけでなく、多くの組織でも今必要とされ、日本よりもむしろ、世界各国で注目されている考え方なのです。いわば、世界標準的な考え方と言っても過言でないでしょう。
(引用:デ゙ィープ・アクティブ・ラーニング 勁草書房 第9章「リーダーシップ教育」)
では、その様なリーダーシップを発揮する上で、必要な要素とはどのようなものでしょう。
以下の3つが求められます。
(1)明確な成果目標を定める
(2)その成果目標のために、まずは自分が動く
(3)自分に賛同してくれる仲間を募り、目標を共有しながら、一緒に動く
この3つのどれが欠けてもリーダーシップは生まれません。
また、その前提として、地域に興味関心を抱き、危機意識をもつことが重要です。
他人事ではなく、自分事と捉え、地域を見つめ直す。
まずは、そこから始めてみませんか?
地域人材育成コンサルタント
明星大学 経営学部 特任准教授
株式会社オフィスたはら 代表取締役
田原洋樹